専門用語の多いポーカーですが、稼ぎの効率を示すROIについて解説させてもらいます。
ただデータを見るだけでなく、僕なりに有効活用する方法も考えてみたので併せて参考にしてみていただければと思います。
ROIの意味(何を表すデータなのか)
『ROI』は”Return on Investment”の略となっていて、直訳して『投資収益率』を意味しています。
簡単に言えば『ポーカーに何円突っ込んで、何円稼いだのか?』を示す割合となります。
簡単な数式で、ROIを出すことは出来るんですがトーナメントとキャッシュゲームでは別の計算を使うことが多いです。
トーナメントのROIの計算方法
トーナメントは1回単位でROIが出せるので、ROIの計算式も上のようになります。
【例:10ドルの参加費のトーナメント、賞金50ドル獲得】した場合、それぞれの数値の当てはめかたは次のようになります。
利益 | 賞金50ドル-参加費10ドル=40ドル |
参加費 | 10ドル(アドオンやリヴァイした場合、それも含む) |
これを計算すると『40÷10×100=400%』がROIとなります。
なので、投資した金額に対して4倍の収益を得ているということになります。
キャッシュゲームのROIの計算方法
トーナメントのように1回で終わらないキャッシュゲームのROIについては計算方法が変わります。
それが次の2つになります。
・時給換算
・100ハンドあたりでいくら稼げているか?
それぞれの計算式と特徴を解説してみます。
時給換算のROI
こちらは単純に1時間当たりで出せた利益を計算する方法です。
厳密に言うとROIではないですが、時給の方を重視するプレイヤーも多いです。
どの金額のテーブルが一番利益を出せているかを調べるために、稼いだ金額でなく稼いだBB(ビッグブラインド)で計算をするのが僕のオススメです。
【例:0.3ドル/0.6ドルのBBで、30ドルでバイインして2時間後に90ドル】になった場合、次のように数値を当てはめます。
利益 | 90ドル-バイイン30ドル=60ドル、
1BB0.6ドルなので、60ドル÷0.6=100BB |
プレイ時間 | 2時間 |
これを計算していくと、『(150-50)÷2=50』となります。
なので、時給にして50BB稼げていることになります。
この計算式は、ポーカーのデータ解析ツール等も不要なのがメリットですが、データを累計しにくいのが難点です
100ハンド当たりのROI
自分のプレイしたハンドデータを取っている人なら、こちらが一般的かと思います。
(ポーカー用語としてのキャッシュゲームのROIは、これを指す人も多いかと思います)
ツールを導入していて、自力で計算しないと思いますが一応解説してみます。
【例:0.3ドル/0.6ドルのBBで、30ドルでバイイン、1000ハンドプレイして90ドル】になった場合、次のように数値を当てはめます。
利益 | 90ドル-バイイン30ドル=60ドル、
1BB0.6ドルなので、60ドル÷0.6=100BB |
ハンド総数 | 1,000回 |
これを計算すると『100÷1,000×100=10』となります。
なので100ハンドプレイしたら10BB稼げているという計算になります。
ROIをどのように活用するか?
ROIの計算式は分かったけど、どう使うの?
次はこういった点を踏まえて、以下の解説してみたいと思います。
・自分の適性レートの目安にする
・プレイ効率の目安にする
・プレイの改善の目安にする
例えば、次のように各レートのテーブルで100ハンド当たりのROIのデータになったとします。
0.1/0.2ドルでは、8BB/100ハンド |
0.2/0.4ドルでは、6BB/100ハンド |
0.3/0.6ドルでは、4BB/100ハンド |
この場合、次のように判断していけるかと思います。
自分の適性レートの目安
自分がプレイしているポーカーテーブルのレートが自分に合っているかを数値的に知りたい時にオススメの活用方法です。
0.1/0.2ドルでは、8BB/100ハンド |
0.2/0.4ドルでは、6BB/100ハンド |
0.3/0.6ドルでは、4BB/100ハンド |
この場合、0.1/0.2ドルのレートが一番勝てているという見方ができます。
つまり自分の現時点の適性レートは0.1/0.2ドルが合っていると判断できます。
プレイ効率の目安にする
これは、”稼ぐことを主目的”としているプレイヤーにオススメの活用方法です。
0.1/0.2ドルでは、8BB/100ハンド |
0.2/0.4ドルでは、6BB/100ハンド |
0.3/0.6ドルでは、4BB/100ハンド |
この場合、適性レートで考えると0.1/0.2ドルという判断になりましたが、実際に稼げている金額で考えるとこのようになります。
0.1/0.2ドルでは、8BB/100ハンド=1.6ドルの利益 |
0.2/0.4ドルでは、6BB/100ハンド=2.4ドルの利益 |
0.3/0.6ドルでは、4BB/100ハンド=2.4ドルの利益 |
こんな感じで、0.2/0.4ドルと0.3/0.6ドルのレートでプレイしているのが効率よく稼げているという計算になります。
プレイの改善の目安にする
こちらはポーカーを本格的に、うまくなりたい人なら見るべきデータかと思います。
0.1/0.2ドルでは、8BB/100ハンド |
0.2/0.4ドルでは、6BB/100ハンド |
0.3/0.6ドルでは、4BB/100ハンド |
この場合は、100ハンド当たり4BBと最も非効率なレートが勝てていないという判断を目安とします。
こんな感じで、適性レートを探る→そこで鍛えて自信をつける→苦手レートの改善って感じでレートを上げていくというのが良いかなと思います。
現時点で自分の稼げる限界値が知れる
ROIが分かれば自分が一日に稼げる額を暫定で出すことができます。
【例:1日3時間ポーカーの時間が取れる、1時間100ハンドこなせる】
こういった場合、1日300ハンドプレイできることになるので…
ROIが0.3/0.6ドルで4BB/100ハンドだとしたら、1日12BB=7.2ドル稼ぐのが限界と暫定することができます。
プロなり副業なりで、本格的にポーカーで稼ぐなら自分が今1日でいくら稼げるかを計算してみるのもいいんじゃないでしょうか?
これらは、あくまで僕の考えるROI活用の一例です
他に「もっといい有効活用方法あるよ」という方は、コメントもらえると嬉しいです
ROIの注意点
ROIのデータを活用するに当たっての注意点は『試行回数が少ないとアテにならない』ということです。
極端な例ですが、初めてポーカーのトーナメントに参加して、たまたま優勝したプレイヤーがいたとします。
【トーナメント参加費は10ドル、優勝賞金810ドル】
この場合は、ROIは8000%という異様な数値になります。
このプレイヤーが果たして強いという判断ができるでしょうか?
見せかけデータの勧誘者に注意
「ROI○%出てるんだよね」と羨ましくなるような数値をアピールしている人が居たとします。
ですが、先ほどお話したように多くのプレイ回数を重ねていない人だったとしたら全くアテになりません。
数か月勝っている程度の人なら、いわゆる上振れや下振れといった分散の範囲と考えることができます。
ちょっと勝ち自慢したいだけの人なら問題ないですし「言いたいときあるよね」って感じですが、そこからコーチングなど何らかの勧誘をしている人なら要注意ですね。